2016年7月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

Twitter

  • 莉緒Twitter
  • 暁鈴Twitter【佳川鈴奈】

« 【日記】 @ 暁鈴 | トップページ | 【お針子】 秋桜の単重 @ 暁鈴 »

【杜の響】  櫻咲

ハロウィン。
今までの私とは…縁遠いイベント。

なのに…
今はこんなにも身近に感じられる…。

「櫻咲、櫻咲」

遠くから親友の声が聞こえる。
その声はやがて、ゆっくりと近づいてきて…
私の肩をトントンっと叩く。

はっと、振り返ったら…
そこには…げっそりとした表情の親友が…ため息一つ。

「おはようー凛華ちゃん。
 どうかしたの?今日はお仕事、徹夜だったの?」
「徹夜は…あまりしたくないわね。
 仕事はすぐに終わって帰宅したわよ。
 夢見が悪かったのよ。夢見が…」
「夢見?
 それは…いけませんわ。
 夢はいろいろなものを啓示下さる大切なものですもの。
 私で良かったら…お話になって。
 何か解決するかもしれなくてよ」

早々に凛華ちゃんと学校内に入ると…
カフェテラスの一角に腰をおろして…
ハーブティ-を飲みつつ…
ゆっくりと凛華ちゃんの話に耳を傾ける。

「それはね…昨日のことなのよ。
 そうねー…仕事が終わって帰宅したのは、日付が変わる頃だったわ」
「日付が変わる頃…」
「そう。日付が変わる頃。
 私が歩いてる所に…背後から人の気配がしてねー…」
「えっ?凛華ちゃん、それって…お祓いが必要なのかしら?」
「あっ、人の気配がしたのは…仕方ないわよ。
 私の隣の家の人だったもの【笑】」
「…凛華…ちゃん…」
「櫻咲…アンタも、すぐに怪奇現象に結び付けるのどうかしなさいよ…」

…凛華ちゃん…
それは、凛華ちゃんが…意味深な言葉を紡ぐから…

「でさ…私は無事に家に帰ったわけよ。
 家に帰ったら…私のお肌を維持しないといけないでしょう。
 いつものように大好きな入浴タイムでまったりと至福の時間を過ごしてね…
 気が付いたら…丑三つ時」
「丑三つ時?」
「そう…丑三つ時。
  時計の秒針が…やけに耳に付く煩さで…。
 そっと…風が私の頬を撫でたのよ」
「風が?凛華ちゃんの頬を?
 凛華ちゃん…金縛りとかかからない?
 お清めのお塩はちゃんと湿らさずに…盛塩に出来てる?」
「いやっ、だからね。
  櫻咲…。違うって。風は仕方ないわよ。
 お風呂に入ったら髪乾かすでしょ。
 ドライヤーの風だもの。
 ホント…好きだよねー。アンタ…」

…だから…凛華ちゃん…。
それは…凛華ちゃんがね…。

「んで髪も乾かし終わったから…
  休もうかなーって思って…布団にもぐりこんだら…
 すーっと眠れたのよね」
「まぁ、寝つきが良いなんて…流石、凛華ちゃんだわ。
 私…なかなか、眠りの時間に繋がらないもの。
 でも…眠れているなら、どうして…今日は、
 げっそりしているの?凄くやつれてみれるわよ。
 眠っている間に…お腹を冷やして、壊しちゃったの? 
 それなら…眠れないけど…、順調に眠れているように
 聞こえてよ」
「寝るとこまでは…計画通りだったのよ。
だけど…夢の中でね」
「夢の中で?」
「Trick or treat.よ。櫻咲」
「とりっく おあ とりーと?」
「何、間抜けないいかたしてるの。
 Trick or treat. お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうよ…の
 Trick or treat.。
  知らない?」
「まぁ…。Trick or treat.なら…凛華ちゃんに前に教えて頂きましたわ。
 あぁ、あのTrick or treat.でしたの?
 お菓子を準備するのが楽しいですわね」

凛華ちゃんは、またため息一つ。

「それでね…。
 夢に出てきたのよ。Trick or treat.って」
「まぁ、可愛らしい。
 子供たちが…変装して、くるんですわよね。
 Trick or treat.って。いつか…紫闇さまにも、姫様にも…
 純粋に楽しんで頂きたいですわ。
 お二人が来て下ったら、私何を渡せばいいのかしら?
  ねぇ、凛華ちゃん」
「そっ…それは別に…。
 そうねー、あの二人なら…京都の雅な和菓子とか。
  櫻咲がクッキー焼くとか。
 あの二人なら、聞きわけいいから…
 櫻咲が何を渡しても喜んでくれるわよ。
  問題はこっちよ。問題は。
  その夢の中の、Trick or treat. 来訪者がね…
 咲香ちゃんなのよ。
  
 『Trick or treat.。お菓子のお家くれなきゃ悪戯するぞ。
  咲香が入るれるくらいのお菓子のお家くれなきゃ
  悪戯するぞ』って。」

凛華ちゃんは…
背筋に寒気を感じたのか…
ブルブルっと体を震わせて…
またまたため息一つ。

「夢の中には…プリンセスドレスに…
 身を包んで、お菓子の家で幸せそうに…にっこり笑ってる
 咲香が微笑んでたのよ。ありえなくない?
 願いを叶えてあげないと…恨まれそうだし…。
 でも…なんで私なのよ。
 そんなの…私じゃなくて、
 暁鈴とか莉緒の夢に出たらいいわけでしょ。
 それにうなされて…私が眠りを妨げられるなんて…
 どうかしてるわ。櫻咲に話したら少しすっきりした。
 学校…私、遅刻して入るよ。
 櫻咲、先生きたら…お腹の調子が悪いから病院行ってから行きますっとか
 適当にいっといてよ。今から、莉緒と暁鈴に愚痴りにいってくるわ。
 放課後には…アンタの大切な、紫闇と桜妃の為に…私たちからの
 お菓子材料買い出しに行こう。じゃ、行ってくるわ」

有言実行な凛華ちゃんは…
その後すぐに学校を飛びだしていきました。

お菓子のお家をくれないと…
悪戯されちゃうなんて…。

咲香ジュラが…大暴れしている姿を
想像しながら…、それを私の愛しい二人の姿に…重ねる。

私は…思わず、微笑みつつ…
ハーブティを飲みほして
教室へと移動しました。 

 

櫻咲

  

 
 

« 【日記】 @ 暁鈴 | トップページ | 【お針子】 秋桜の単重 @ 暁鈴 »

杜の響-DOLL視点日記-」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1346115/37256308

この記事へのトラックバック一覧です: 【杜の響】  櫻咲:

« 【日記】 @ 暁鈴 | トップページ | 【お針子】 秋桜の単重 @ 暁鈴 »

無料ブログはココログ